Librarianist & Epicureanist

昔から「デジタルノマド」という働き方に興味がありました。
パソコンひとつでどこでも仕事ができるなんて、とても自由で魅力的ですよね。
世界で有名なデジタルノマドの拠点は、チェンマイ、リスボン、そしてバリ島の三つ。
その中で、私に一番近いのがバリ島だったので、今回は実際に行って体験してみることにしました。

入国と第一印象

シンガポールからバリ島までは飛行機で約2時間。とても気軽に行けます。
入国手続きもスムーズで、ほとんどが自動化されており、人の手をほとんど必要としません。効率の良さは、シンガポールに次ぐレベルだと思いました。

空港の外のエリアは一見モダンですが、実はそこがバリ島で最も発展している地域です。
そのエリアを離れると、道路や建物、インフラはかなり素朴でローカルな雰囲気になります。

面白いのは、バリの「配車システム」です。
Grab や Gojek で車を呼んでもアプリが自動的にドライバーを割り当ててくれず、現地のスタッフに名前を伝え、手動でドライバーを探してもらう仕組み。まるで病院で順番を呼ばれるような感じです。
アルゴリズムや自動マッチングはなく、すべて人力で運営されています。

交通事情:Gojek のほうがお得

移動には主に Gojek を使っていました。Grab よりもかなり安く、同じ距離でも半額ほどの料金で済みます。
待ち時間が少し長いこともありますが、追加料金を払えば優先的に配車してもらえるので、全体的にコスパは良いです。

ただし、バリの交通渋滞は本当にひどいです。10キロ程度の移動でも1時間以上かかることが普通。
そのため、移動手段としてはバイク(スクーター)が一番便利。
地元の人もデジタルノマドも、ほとんどがバイク移動です。
1日数ドルでレンタルでき、ガソリン代もほとんどかかりません。

エリアごとの特徴:チャングー、ウブド、南部半島

今回はいくつかの地域に滞在しましたが、それぞれに個性がありました。

  • チャングー(Canggu):最もデジタルノマドが集まるエリア。カフェ、バー、サーフビーチ、コワーキングスペースが多く、若者が多くて活気があります。
  • ウブド(Ubud):山間にあり、静かで自然が豊か。小さな町のような雰囲気で、瞑想やリラックスをしたい人にぴったり。中心部は観光客が多くやや賑やかです。
  • 南部半島(ジンバラン、ウルワツ):高級リゾートが多く、例えば Ayana Resort など。美しく整ったホテルが多いですが、「バリらしさ」はあまりなく、どちらかというとシンガポールのような雰囲気です。

1日の生活リズム

バリ島での私の1日はこんな感じでした。
朝はジムかヨガクラス、昼に食事をして、午後はコワーキングスペースで仕事。
夜はマッサージに行ったり、友人と飲みに行ったり。
全体的にゆったりしていて、ほとんどストレスを感じません。

移動はバイクが一番便利。最初は信号のない交差点に少し戸惑いましたが、みんなスピードが遅いので慣れれば問題ありません。

コワーキングスペース:高いけど快適

有名なコワーキングスペースをいくつか訪れました。
B Work Bali や Tropical Nomad Coworking Space などです。
どこも雰囲気が良く、プール付き、オープンエアの座席、無料コーヒーなど快適な環境。
ただし料金は安くありません。月額で 300〜400ドル 程度。
さらに宿泊費・食費・ジム代などを合わせると、月に 1000〜1500ドル くらいになります。

新しいノマド仲間を作ろうと思っていましたが、実際には短期滞在の人が多く、数日間で話したのはトルコから来た2人だけでした。

物価と賃金のギャップ

印象的だったのは、バリ島の「物価構造」です。
レストランの値段は意外と高く、上海と同じくらい。
良いレストランでは1人あたり 40〜50ドル ほど。
一方で、ローカルフード(ナシゴレンやバビグリンなど)は数ドルで食べられます。

問題は、地元の人の給料がとても低いこと。
多くのサービス業従業員の月収は 200〜300ドル 程度。
つまり、物価の基準は外国人向けに設定されているのです。
観光業でお金は入ってきますが、その利益の多くは外資系ホテルや企業に流れ、地元の人々にはあまり還元されていません。

物価と賃金のギャップ

印象的だったのは、バリ島の「物価構造」です。
レストランの値段は意外と高く、上海と同じくらい。
良いレストランでは1人あたり 40〜50ドル ほど。
一方で、ローカルフード(ナシゴレンやバビグリンなど)は数ドルで食べられます。

問題は、地元の人の給料がとても低いこと。
多くのサービス業従業員の月収は 200〜300ドル 程度。
つまり、物価の基準は外国人向けに設定されているのです。
観光業でお金は入ってきますが、その利益の多くは外資系ホテルや企業に流れ、地元の人々にはあまり還元されていません。

生活の便利さと医療の問題

もし1〜2週間の休暇なら、バリ島は最高です。
でも長期滞在となると、いくつかの問題が見えてきます。
交通渋滞がひどく、公共交通機関はほぼなく、病院も少ない。
病気や事故があっても、頼れる医療施設が限られています。

また、買い物の選択肢も少なく、食品や電子機器の種類も限られています。
もっとも、ここで長く暮らしている人たちは、あまり物欲がないようです。

まとめ:短期滞在には最適、長期には不向き

全体的に見て、バリ島には確かに独特の魅力があります。
ビーチ、太陽、カフェ、ヨガスタジオ――すべてがゆったりとしてリラックスした雰囲気。

しかし、想像していたような「低コストの楽園」ではありません。
物価は高めで、インフラや医療も十分ではありません。

リフレッシュしたい、少しの間だけ働く場所を変えたい――そんな目的には最適な場所です。
でも長期的に住むなら、私はやはり 東京や大阪 のような都市のほうが好きです。
交通が便利で、気候が快適で、生活のリズムも安定しているからです。

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